福岡市の税理士 税理士法人 福岡中央会計過去の記事

「期ずれ」が重加算税項目のトップに

2013/9/27 法人税

税務調査の結果、重加算税が課せられる項目のトップが「期ずれ」なのだそうです。 本来、当期に上がるべき売上を翌期に延ばしたり、経費の先取りをしたりといった内容を「期ずれ」と呼び、税務調査では、必ずチェックの対象となる項目です。 しかし、長期の視点で見れば、所得計算にマイナスが生じるわけでもないため、重加算税の対象と考えるには、極めて抵抗のある非違事項でした。 売上の繰り延べを意図的に行った場合でも、たとえば、来期の売上ノルマのハードルを引き下げるためなど、必ずしも税負担軽減を図っているとはいえないケースが見られるようです。 従って、同じ「仮装」でも、「質」が違うという認識がどこかにありました。 また、課税庁の側でも「期ずれ」に重加算税を課さないという内部通達があったようで、これが期ずれと重加算税が結びつかない大きな要因ともなっていました。 しかし、このような「常識」も完全に過去のものとなってしまったようです。 期ずれが重加算税の項目トップという事実は、当局の強い姿勢を表しています。

消費税に関する消費者庁のガイドライン 

2013/9/12 消費税

消費税転嫁対策特別措置法で、零細事業者の価格転嫁を阻害するような表示方法を禁止する規定が置かれています。既報の通り、その具体的な内容は法律の条文ではなく消費者庁のガイドラインに明記されるかたちで周知されます。 9月10日、そのガイドラインが消費者庁から公表されました。  消費者庁のガイドラインは以下の通り↓ http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/250910tenka2.pdf 当初は禁止するとみられていた、「3%還元」や「3%値引き」「3%ポイント還元」などは問題ないとされたものの、「消費税増額分値下げ」のように、消費税率引き上げに直接言及する表現は禁止されるようです。 なおガイドラインには書いていないものの「消費税増額分、増量」などの表示も、消費税に直接言及しているため、禁止の対象となるということです。

非嫡出子差別違憲判決の影響 

2013/9/11 相続税

非嫡出子に対する相続分を2分の1とする民法の規定が違憲であるとした、9月4日の最高裁判決の影響が注目されています。 判決文は、判決以後の相続と判決時点で未分割となっている事案に関してその効力が及ぶとされ、さかのぼって過去の事案が違憲とされるものではないとしています。 しかし、非嫡出子側からは「違憲無効状態の民法」にもとづいて行われた遺産分割協議そのものが、「錯誤により無効」と主張されることが十分考えられます。 仮に錯誤無効の訴えが認められた場合、遺産分割協議のやり直しとなり、減額された側は「更正の請求」、取得財産の増加した側は「修正申告」となります。 問題なのは、遺産分割のやり直しは税務上「贈与」として認識され、財産の取得分が増加した側に「贈与税」が課されるという点です。 ただし、財産の取得分の減る方つまり嫡出子側に「贈与の意思」があるとは到底考えることはできないため、従来の常識通りに直ちに判断できないようです。 近い将来、民法は改正されるでしょうが、税務上は単純に「将来の問題」とは言えないかもしれません。

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