2022/1/05 ブログ
今年は美食を極める。
しかし美食に走って体を壊しては元も子もない。
だから外食は控えめにしようと思う。
こう語っている人がいるとすると、それは外食を控えて自分で料理の腕を磨くということか、と問い返すと思う。
そうでもして確かめない限り、その人がどうしたいのかわからないから。
あるいは「美食を極める」はただの前フリで、外食をケチることを公言するために、食がらみの話題を切り出しただけなのかも知れない、と考えるだろう。それにしても話の下手な人だと思いながら。
世代間の財産移転を促進したい。
しかし世帯間の貧富の格差を助長することは良くない。
だから、世代間贈与にはガンガン課税する。
こう言われるとどうだろう。
最初の「世代間の財産移転を促進したい」は、どこに行ったのだろうと、誰もが落ち着かなくなるはずだ。
ただの前フリだとすると、それほど平等を重んじる社会だったのかと感動もするが、瞬時にそんなバカな話があるものか、と思うはずだ。
これが、矛盾したことをわざと大袈裟に言って疑心暗鬼を招き、結果的に財産の世代間移転を実現させるための深謀遠慮だとすると、狡吏の悪知恵も大したものだと思う。
2021/5/28 ブログ
「低解約返戻金型」の保険商品は、保険期間の当初から定められた期間、本来の解約返戻金の70%等低解約率を適用し、解約返戻金を低く抑えています。この低い解約返戻金の段階で名義変更すると、その後、解約返戻金が増大した差額を実質的に低コストで資産移転できるというのが、名義変更による節税・所得移転スキームでした。
国税庁は「現行制度の問題点」として、将来多額の金額(解約返戻金)を受け取ることができる保険契約を、低い解約返戻金で名義変更を行うことは想定されないことから、低い解約返戻金で評価することは不適当であるとの認識を示していました。
国税庁が本件に関わる対応方針(案)として示した内容は、以下のようなものです。つまり「現行は法人契約から個人契約に名義変更する際の保険契約の評価額を一律解約返戻金額で評価しているが、これを、解約返戻金が資産計上額の7割未満の場合は資産計上額で評価するよう見直す方向」です。
この見直しは「2019年7月8日以降締結(払済保険への変更を含む)した契約のうち、今回の改正日(6月下旬予定)後に名義変更を行った場合に適用することを想定」しています。
2020/7/02 ブログ
7月1日、令和2年度路線価が公表されました。
現在、相続税申告業務を受任中の相続財産が、前年比20%を超える上昇幅だったため、急いで新たな路線価による評価額の見直しと、納税額予測の見直しをお伝えしました。今の不動産市況からすると、とうてい納得のいかない上昇率です。
報道によると、9月ごろに7月1日時点の基準地価が公表されるので、この基準地価が広範囲で大幅に下落した場合には、国税庁は地域ごとに一定の係数を路線価に乗じて減額する案が浮上しているとのことです。
それにしても1月開始相続の場合、申告期限は10月です。1か月足らずの期間で評価調整を行うという、厳しいスケジュールになってしまいます。
2020/3/06 ブログ
2020年度の税制改正で消費税法が見直され、賃貸住宅を控除の対象から外すことになりました。これにより、消費税の課税対象となる金を売買して課税売上高を作り出して仕入れ時の税額控除を容認させる「還付スキーム」が完全に封じられることになります。本改正は、新築については4月以降、中古は10月以降の契約分から適用されます。
なお、情報によれば、この改正施行前に業界が駆け込みを図った場合も、当局は税務調査で否認する方針のようです。
どのような理屈で、改正法施行前の行為を否認するのかというと、消費税還付が認められなかった平成29年8月21日「裁決事例」が参考になります。
裁決は、当初申告が仕入税額控除の日を「契約の効力の発生する日」として申告していたものを、「租税負担の公平を著しく害する特段の事情がある場合」に該当するため、原則である「引き渡しの日」とすべきであり、仕入税額控除ができないとしました。
何をもって「租税負担の公平を著しく害する特段の事情がある場合」とするかという説明は、要約すると次のとおりです。
① 仕入税額控除の日を「契約の日」とした理由は、仕入税額控除を受けることを目的とした以外の理由は考えられないこと。
② 金地金の短期間の売買は、仕入税額控除を受けることを目的とした以外の理由は考えられないこと。
③ 関与した税理士が、不動産投資に係る消費税還付等の税務を専門的に扱っていること
①から③までは全て「消費税還付をもくろんでいたこと」の一言に集約されます。
2019/12/25 医療法人・医療関係
2020年9月末とされていた認定医療法人の認定期限が、3年間延長となりました。
12月12日発表の税制改正大綱で明らかにされています。
「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律の改正を前提に、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等の適用期限を3年延長する」(大綱50頁)と記載されています。
租税特別措置法 第70条の7の12 「医療法人の持分についての相続税の納税猶予及び免除」の規定が「平成32年9月30日までの間に厚生労働大臣認定を受けた医療法人に限る」とされていたものが、「令和5年9月30日までの間に」に改正されるものと思われます。
今後3年間で、地域医療をめぐる環境、医療法人運営をめぐる環境が変化することも考えられます。もう一度、認定医療法人制度の適否について検討する機会を持たれてはいかがでしょうか。
2019/9/18 消費税
消費税率引き上げを目前にして、10月1日を挟む取引の消費税について、お尋ねをいただく機会が増えています。
9月30日A社が出荷基準により売上げ、これを10月1日B社が検収基準で仕入れた場合、A社からは旧税率8%適用の請求書がB社に送られます。A社の売上計上は9月、B社の仕入計上は10月とズレがあっても構わないのですが、消費税の取扱いはA社・B社ともに旧税率8%で取り扱うことになります。
ここまでは、国税庁Q&Aなどで周知されていることなので、大きな会社の経理では誤りは少ないのではないかと思います。
問題は、B社の仕入システムが柔軟に稼働せず、10月以降の取引をすべて10%で計算し、本来8%の取引のものに10%分の消費税を乗せて支払う場合などです。
A社の対応としては、過払となった2%相当分を仮受金などで処理したうえ、B社に消費税率の説明を行ったうえ、返還するのが妥当だと思います。B社が頑なに対応を拒否するならば、差額の2%相当分は受贈益として益金参入し、これを消費税上不課税取引として扱うことになると思います。
厄介なのは、買い手であるB社の力関係が強いため、A社の請求書を10%に書き換えるよう圧力をかけられることです。これはB社の過大な仕入税額控除を実現するために、A社が請求書を偽造することになりますので、決して行ってはいけないことです。大切なお取引先だからと安易に売上先の要請に従うと、信用を失うことになってしまいます。
2019/3/29 消費税
2019年10月に予定されている消費税率10%の引き上げと軽減税率制度の導入まで残り半年となりました。
複数税率対応レジの導入や、受発注システムの改修などの経費の一部を補助する「軽減税率対策補助金」について、2019年1月から軽減税率対策補助金制度が拡充されました。これを受けて、中小企業庁は3月29日、軽減税率対策補助金の説明書「消費税軽減税率まるわかりBOOK」を改訂しています。
改訂版はこちら↓
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2019/190329zeiseikaisei2.pdf
従来は補助対象外としていた事業者間取引における請求書等の作成に係る対応(「区分記載請求書等保存方式」への対応)について、これに対応するシステムの開発・改修、パッケージ製品・事務機器等の導入に係る費用も新たに補助対象となります。また、これまでレジの設置と同時に行われる商品情報の登録に係る費用を補助対象としてきましたが、レジ設置時とは別に行う場合も補助対象とするほか、複数税率に対応する「券売機」についても補助の対象とするよう改められました。
「補助率の引上げ」では、レジの設置・改修、受発注システムの改修等に要する経費の「3分の2以内」という補助率が、原則「4分の3以内」に引き上げられます。あわせて、3万円未満のレジを1台のみ導入する場合の補助率も「4分の3以内」から「5分の4以内」に引き上げられます。
また、「補助対象事業者の取扱い」では、事業者が営む事業に関連する規制により、補助対象外となっていた旅館・ホテル等の一部の事業者に係る取扱いについて、広く補助対象として認められるよう、制度の運用改善が行われることとされています。
2019/3/08 税務最新情報
退職一時金支給に関する納税者の照会に、熊本国税局が回答しています。
照会者は、就業規則を改定し、従業員の定年を60歳から64歳に延長することに決定しました。これに伴い、従業員の入社時期に関わらず、延長前の定年である60歳に達したときに退職一時金を支給することに決定しました。この退職一時金を「退職所得」として取り扱ってよいか、という問合せです。
熊本国税局は、定年延長前からいる従業員については「退職所得」として構わないとする一方で、定年延長後に入社する従業員についてはその限りでないと回答しています。所得税基本通達30-2(5)は、労働協約を改正して定年を延長した場合を前提としており、改定後に入社した職員を対象として予定していない、というのがその理由です。
「働き方改革」によって、定年延長を打ち出す企業も増加することが考えられます。「定年延長改正時」と「入社時」の時系列をきちんと把握しておくことが会社に求められます。
2019/1/18 税務最新情報
国税庁は、老人ホーム入居中に自宅を相続した場合の小規模宅地の特例の適用についての文書回答事例を公開しました。
国税庁HP該当ページ↓
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/souzoku/181207/index.htm
被相続人甲が有料老人ホームに入居する直前まで居住の用に供していた家屋及びその敷地の用に供されていた宅地を、別の老人ホームに入居していた配偶者乙から相続により取得し、その後、本件家屋に戻ることなく死亡した事例です。
被相続人が有料老人ホームに入居し居住の用に供されなくなった直前において、家屋及び敷地を所有していなかったとしても、小規模宅地の特例は使えるとの国税庁の回答でした。
被相続人が宅地等を所有していたか否かについては、法令上特段の規定は設けられていないために生じた疑問でしたが、居住の用に供されなくなった直前において、被相続人甲の居住の用に供されていたものであることから、その時において所有していなかったとしても特例の対象となる、との国税庁の判断です。
今後、同様の事例は増加するものと思われ、ごくまっとうな判断が示されたものと考えます。
2018/11/28 相続税
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