福岡市の税理士 税理士法人 福岡中央会計税務最新情報

マイナンバー法の資産税への影響

2012/4/19 相続税

マイナンバー法のもたらす影響について何度か触れてきましたが、相続・贈与税への影響に関しては、現状ではさほど大きくないとの予測が立てられています。 マイナンバー法は、支払調書の提出が義務づけられているもの、すなわち「所得」の捕捉に関しては大きな影響を及ぼすものとみられます。 たとえば非上場株式の配当など、マイナンバー法によって名寄せされる予定ですので、配当所得の申告漏れなどはなくなって行くのでしょう。 しかし、個人間の非上場株式の譲渡など、支払調書の伴わない所得の捕捉には役立たないことになります。 また、調書の伴わない「資産」の把握は基本的にマイナンバー法の「枠外」と捉えて良いようです。 ただし、前述の非上場株式の配当に係る支払調書によって、「非上場株式の所有」そのものは捕捉されるので、相続等で申告漏れを指摘される機会は増えてゆくと考えられます。

相続税改正のうち生命保険金非課税枠について

2012/3/28 相続税

消費税増税を含む「抜本改革法案」では、相続税改革についても触れています。 改正内容は、平成23年度税制改革の際に用意されていたものと変わらず、基礎控除の引き下げ、税率構造の見直しが含まれています。 このなかで、生命保険の非課税枠500万円が設けられるのは、法定相続人が①未成年者、②障害者、③被相続人と生計を一にしていた者、に限定する旨が明記されています。 この点について、一部の専門家から、未成年者等が実際に保険金を受け取ることが要件とされているのかについて疑問が投げかけられていました。 財務省による回答では、未成年者、障害者等が保険金の受取人である必要はないということです。  つまり未成年者等の扶養者が保険金を受け取ることとなっても、非課税枠に変更はないと考えてよいのだそうです。 今回の改正をにらんでの保険契約の見直しなどは、さしあたり必要はないようです。

相続開始後の契約解除の効果

2012/2/14 相続税

相続開始後に相続人が行った契約の解除によって、相続財産の法的位置づけが代わるのかどうかについて、興味深い判決が広島地裁で下されました。 この事件は、被相続人が土地建物の売買契約を交わして手付金を受け取った後に相続が開始し、相続人が手付金の倍額を支払って売買契約を解除した後、課税財産を土地建物として申告したケースです。  課税庁は、課税財産は土地建物ではなく、売買残代金請求権であるとして更正処分をしてきたため、相続人がその取消しを求めていました。 土地の相続税評価額は、一般的に時価の8掛け程度、建物の相続税評価はさらに低くなるのが相続税評価の世界であるため、相続財産が土地建物なのか売買代金請求権なのかによって税負担が大きく異なるわけです。 課税庁の論理は、被相続人と買い手との間には、強固な売買契約履行の意思があった為、相続人の意思や行為に関わりなく、代金債権こそが相続財産であるというものでした。 広島地裁は、事実関係を整理した上で、売買契約の解除は手付契約に基づく解除権の行使による解除であるから、国税通則法23条2項3号の「解除権の行使によって解除された場合」に該当すると認定し、納税者の主張を認めました。 判決によると、手付契約に基づく解除であるから土地建物の売買契約は被相続人が売買契約を交わした日に遡って消滅し、相続開始日においては売買契約が存在せず、売買代金債権も存在しなかったという解釈になります。 相続開始時には契約を解除しうる状態にあり、これに基づいて現に契約が解除されている以上、被相続人の意思や契約当事者との関係は、第二義的な意味合いしか有しないと考えるのが、当然だと考えます。 ちなみに、国側敗訴のまま判決は確定しています。

不動産売買契約の途中で相続が発生したケース

2012/1/11 相続税

土地建物の売買契約の途中で相続が発生したケースで、課税庁は「売買残代金請求権」を 相続財産と主張したのに対し、相続発生後、納税者は「手付け倍返し」で契約を解除しており、 土地建物が相続財産であるとして争っていましたが、広島地裁は納税者の主張を全面的に認める判決を下しました。 国税通則法では、  ① 契約が解除権の行使によって解除された場合、又は  ② 契約の成立後生じたやむを得ない事情により解除された場合 には、解除された後の事実に基づいて、課税標準の是正ができる、となっています。 裁判では「解除権の行使」に当たるかどうかについて、約定文言や当事者の行動をめぐって双方の主張が食い違いましたが、裁判所は、解除権の行使ができない客観的事実が確認できないとして、「解除権の行使」による契約の解除であると判断しています。 また、相続人らが当該土地建物を売却しなければ、相続税の納税がかなわないという思いこみのもとに、いわば動機の錯誤のもとに契約を行っており(相続後充分な現預金・生命保険が確認されている)、これらを「やむをえない事情」と納税者側が主張していた点についても裁判所は納税者の主張を支持しています。 つまり納税者の全面勝訴判決となりました。
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