福岡市の税理士 税理士法人 福岡中央会計税務最新情報

国税庁の法人実態調査

2012/3/31 法人税

国税庁は、去る3月21日、平成22年度の法人企業の実態調査として、会社標本調査の結果報告を行っています。 国税庁標本調査結果↓ http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon2010/kaisya.htm これによると欠損法人の割合は72.8%にのぼり、過去最悪といわれた平成21年度と同率となっています。 黒字を出しているのは、4社に1社だけということになります。 欠損法人割合が高い業種は、料理飲食旅館業(83.8%)、繊維工業(83.1%)、出版印刷業(80.9%)の順で、これも平成21年度調査と変わりません。 なお、この調査は平成23年3月までに終了した事業年度を対象として調査のため、来年公表される平成23年度調査結果は、震災の影響を受け、より厳しい数字が予想されます。 また、平成22年度の交際費等支出額2兆9,360億円というのは、過去30年間で最低の金額となっています。調査時点からみて、震災の影響と言うよりも生き残りのための必死の削減努力の表れと見るべきでしょう。 寄附金の支出額は6,957億円となっており、前年度比で27.3%の増加で、寄付金の統計を開始した昭和37年分以降で過去最高額となっています。これは東日本大震災を受けての数字と考えられますので、平成23年3月に寄付金の額が集中したことを物語っています。 平成23年度標本調査では、交際費の切り詰め、寄付金の増額が、よりくっきりしたかたちで数字に表れることが考えられます。

95%ルールの変更に伴う損金算入要件

2012/3/27 法人税

平成24年4月1日以後に開始する課税期間から、消費税の仕入税額控除に係るいわゆる「95%ルール」が見直されます。 課税売上高5億円超の事業者については、課税売上割合が95%以上の場合であっても、仮払消費税を全額仕入税額控除できなくなります。 ここで留意すべきことは、控除できなかった仮払消費税の法人税法上の損金算入要件です。 控除対象外消費税等は、法人税法上損金算入することができるのが原則ですが、「資産」に係る控除対象外消費税額等については、「損金経理」が要件となっています。 「経費」に係るものについては損金経理の必要なく損金算入が可能なので、両者を混同しないように注意しなければなりません。 該当企業は、税抜き処理会計システムを個別対応にするか、などの対応に追われていることでしょうが、法人税法上のシステム対応も必要とされるところです。

法人契約がん保険のパブリックコメント

2012/3/08 法人税

見直しが検討されていた、法人契約がん保険の税務処理について、国税庁からパブリックコメントが出ています。  この件でパブリックコメントが出たのは初めてであり注目を集めています。 国税庁HP↓ http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=410240007&Mode=0 法人を契約者および保険金受取人とし、役員および従業員を被保険者として加入した場合、一定の要件をクリアすることで、支払保険料の全額損金算入が認められるため、がん保険節税として知られていました。 以前から、保険料の前払い部分も損金算入できることについては、問題視されていましたが、今回、国税庁がついに通達改正に向けて一歩を踏み出しました。 パブリックコメントによると、全額損金で処理をしていた法人がん保険が、改正後は1/2損金になるという内容です。ただし、既加入契約に関しては全額損金のままで、改正後の契約分からは1/2になる模様です。 パブリックコメントの締切日が3月29日なので、少なくともこの日までは既契約として大丈夫なのではないかなど、憶測を呼んでいます。 改正の境目(と思われる日)に向けて、駆け込み需要が発生する可能性もあります。

改正減価償却制度のQ&A公表

2012/3/07 法人税

昨年12月に公布された「税制構築法」等により、法人の減価償却制度が改正され、平成24年4月1日以後に終了する事業年度から適用されます。 国税庁HPでQ&Aが公表され、個別の取扱いが整理されています。 国税庁HP↓ http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2011/pdf/1112kaisei_faq.pdf 原則として平成24年4月1日以後取得の減価償却資産について、従来の償却率が引き下げられ、250%定率法は200%定率法に変更されます。 注意すべき点は以下の事項です。 改正事業年度において減価償却資産について定率法を選定している場合には、平成24年4月1日からその事業年度終了の日までの期間内に取得をされた減価償却資産については、その減価償却資産を平成24年3月31日以前に取得をされたものとみなして、250%定率法により償却することができる特例が設けられています。 ( この特例措置は法人が任意に選択することができ、選択するに当たり所轄税務署長への届出の必要はありません)。 また、この逆パターンの選択も可能です。 「200%定率法の適用を受ける旨の届出書」を税務署に提出することにより、250%定率法の適用対象資産についても、改正後の事業年度において200%定率法を適用することが可能です。 事務手続きの煩雑を避けるためなどのための配慮です。 今年4月決算法人から適用される改正ですので、今から注意をし準備をしておく必要があります。

中小企業投資促進税制で「デジタル複合機」に変更

2012/3/02 法人税

30%の特別償却、7%の税額控除のいずれかを受けることができる「中小企業投資促進税制」は、平成24年度税制改正大綱において平成26年3月31日まで延長することとされています。 ここで注意すべきことは、従来、適用要件に柔軟性があった「デジタル複合機」に厳格な要件が課されるようになるという点です。 現行では、デジタル複合機に関して、複数台購入した合計額が120万円以上になれば制度の適用が可能でした。 国税庁HP↓ http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5433.htm ところが平成24年4月1日以降は、1台・1基の価額が120万円以上のデジタル複合機のみが適用対象となります。 まとめ買いによる特例適用が可能なのは、平成24年3月末までとなりますので、3月期決算の検討課題にされてはいかがでしょうか。

長期所有資産からの買換特例の改正内容

2012/2/27 法人税

平成24年度税制改正で注目される点のひとつに、特定資産の買換え特例の延長があります。 非常に使い勝手のよい「9号買換え特例」は3年間延長されたものの、土地に買い換える場合、買換資産の用途制限と土地面積制限(300㎡以上)が加えられました。 買換資産の用途制限のうち、「賃貸用住宅」が含まれるのか否か、「政令」の内容待ちでしたが、賃貸マンションも「可」となる見込みのようです。 ただし、300㎡要件が課されることで、マンション1室への買換えは困難となります。 なお用途制限により「駐車場」は原則「不可」とされますが、「やむをえない事情がある」場合のみ、特例の適用が認められとされています。 この「やむを得ない事情」とは、例えば開発許可申請を行っており、許可がおりるまでの間、駐車場として利用するような事情を指すのだそうです。 例外規定も厳しいため、駐車場への9号買換え特例適用は難しいと考えるべきでしょう。

グループ法人税制と非上場株式評価

2012/1/25 法人税

国税庁は、グループ法人税制で繰り延べられた譲渡益が実現した場合などの、非上場株式評価について、質疑応答事例を公表しました。 これによると、完全支配関係がある法人(譲受法人)において、当該資産を再譲渡した場合など、譲渡会社において当初繰り延べていた「譲渡益」が法人所得に計上される場合には、譲渡会社の株式評価(類似業種比準方式)に当たって、「1株当たりの利益」に組み入れる必要はない、ということです。 すなわち、いったん繰り延べており外部事情で実現した譲渡益は、非経常的な利益であるため、これを除外して考えて良いということです。 至極、常識的な考え方だと思います。 一方で、含み損がある資産を譲渡し、グループ法人税制によって実現されずに繰り延べられる譲渡損失がある場合にも、譲渡損失はなかったものとして株式評価が行われます。 資本関係のない外部に売却した場合には、株価を低く抑えられるのと比較すれば、不利になりますが、そのような狙いも込めてのグループ法人税制でしょうから、これも当初の予想通りの結論です。 資産税のタックスプランニングにおいて、グループ法人税制から離れて非上場株式の評価を行ってはいけない、ということです。
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